仕事柄、様々なコーティングの実証実験をしています。このボンネットには、4つのメーカーのガラスコーティングを施工してあります。しかしながら、性能こそ違いがありますが、どんなに目を凝らしても見た目の違いは判りませんでした。このようなことから各メーカーのガラスコーティングの美しさの違いを理解するのは、むずかしいと思っています。美しさのレベルをあげるのは、ポリッシュです。コーティングは、ポリッシュされた塗装を引き立たたせ守る物です。

一方、ポリッシュは、どういう意味があるのでしょうか！それは、傷を目立たなくすることです。洗車傷なのど細かい傷は、入射した光を拡散させて白ぼけたようにします。「なんか、くすんできたな！」と感じたらそれは、傷による光の拡散です。どんなに洗車をしてもキレイな感じが出ないのは、そのためです。その傷をポリッシュして乱反射をなくし輝きを復活させます。先に述べた「傷を目立たなくする」と書きましたが、ポリッシュは研磨剤で削っていくので傷をさらに細かい傷にして目立たなくしていく作業です。けして、傷を無くしているわけではありません。以前、腕のあるペインターを見たとき研磨をしなくても塗装を吹き付けただけで艶を出すのを見たことがあります。

塗装の本当の美しさは、塗ったときの状態が一番キレイだと思っています。しかしペインターの技術や塗料の性質などで研磨しなければならないのかもしれません。わたしは、塗装職人ではないので個人的に美くしい塗装を表現するペインター達に聞いて情報収集した見解です。間違っていたらすいません。また、自動車メーカーの塗装ラインのロボットでは、職人の技を表現するのは難しいと思います。あと、塗装は 硬化の過程でどうしても表面の数ミクロンが硬い層になります。これも諸説ありますが、実体験として研磨をしない方が研磨した場合と比べたら硬くて強いと感じます。
硬い層をなるべく残して研磨すれば少しの違いですが、それを取ってしまっては、今の塗料でも難しのではないでしょうか。なので私の感覚だと美しい塗装ならポリッシュしないでコーティングをして洗車をまめにするのが塗装にとって一番良いと思っています。

しかしながら、傷付いている塗装は研磨をして美しくした方が良いとおもっています。なぜならば、美しい方が洗車の回数が増えるからです。貯金と一緒で ある程度の額になると大切にお金を使いますね。洗車をして「美しさの貯金」をしましょう。
ポリッシュは塗装を削る作業なので膜厚計で塗装の厚みを可視化して硬い層を残すために薄皮を剥ぐように見極めながら研磨をしています。なのでポリッシュの時間がかかります。また、新車などもクモリなどがあればそれを除去してコーティングをした方が、「見る喜び」が高いと思っています。